今はもう、思い出すことさえ難しい

子供の頃は、あんなに夢中で遊んだのに
今は趣味に没頭するのさえ気力がもたない

大人になるとはそういうことなのだろうが
剥がれ落ちた、少年の頃の衝動と情熱は
本当に必要ないものだったのだろうか

知らず知らずのうちに、消えてしまったものもあれば
望んで手離したものもある
もう潮時だと、諦めたものもあるかもしれない

渇いたわけではない
分別がついたということだから、それでいいのだ
分別の無い大人は敬遠されるから

でも、夢中で駆け回ったあの頃は
何より無垢で自由だった

思い出せるだろうか、今の自分に
そしてその欠片は
今も胸のどこかに残っているだろうか