第3回 ある日のたたかい。VS紳士?
第2回もたくさんの方々にお読み頂けましたこと、誠にありがとうございます。
また、コメント欄にて様々なご感想、ご経験をお伝え頂きました。本当にありがとうございます。
まずはこちらから。第2回の豆知識の補足でございます。
京都のきつねうどんについてです。
食べやすい大きさにした刻みあげとそれからしゃきしゃきとした食感が魅力の九条ネギ入りのうどんとのこと。
……おいしそうですね。想像だけで暖まります。
対しまして、第2回に登場いたしました、若い頃、ははではない豆に出されましたきつねうどんは。
……命名するならば、きつね? うどんでしょうか。
大丈夫です。味はきちんとおいしいうどんですよ。
むしろ、最初からお品書きにあれば、頼みたいくらいです。
以上、補足をご覧頂きました。ありがとうございます。
さて、怒濤の食事運編が終了しまして、今回からはたたかい編でございます。
食事運編につきましては、もしかしたら補足回もあるかも知れません。
とりあえず今回は、たたかい編です。
戦い、闘い。ご変換頂きましても大丈夫ですが、とりあえず、たたかいでございます。
登場人物はまたもや、若い頃の豆です。
ジャンピング土下座を間近に見た同志、旦那さん(になる人)に会いに行った時のことです。以降は第1回と同様、旦那さんといたします。
週末になりました。
始発(各駅停車)に乗って、ゴトンゴトン。
大きな駅に着きまして、指定席券購入済の特急に乗ります。
遠距離、とまではいきませんが中距離恋愛でした。
お互い社会人なので、週末の一日は空けておいて色々用事を済ませられるようにと、朝に会いに行き、夜は遅くてもちゃんと帰宅。
翌日はそれぞれ家事とか色々を。
翌々日の仕事のためです。
若い豆も、頑張っておりました。
ちなみに、金曜日の夜から移動、ではないのは、旦那さんが寮住まいだったからです。
おや、目的地の停車駅までもうすぐです。
特急は速いですね。
デッキへ移動して、旦那さんに連絡しました。到着時間の報告です。
目的地の停車駅に着きました。
改札に旦那さんは……おや、いませんね。
メールは来ています。
駐車場を探しているそうです。
なるほど。了解しました。
改札を出てファーストフード店にでも入るか、それとももう少し待つか。
考えておりましたら。
「お茶はいかがですか」
……?
きちんと背広を着た、革鞄を持つ中年男性。
紳士? と言えなくもなく。
そして、今でしたらソーシャルディスタンスな距離。
「いえ、大丈夫です(何が?)。婚約者が迎えに来てくれるのを待っていますので」
正しくは違うのですが、何となくこの言い方は「強い」気がしたのです。方便です。
まあ、将来の話とかも出ていた頃でしたので、問題ないと思います。
「そうですか。では、待つ間にお茶をご一緒に」
……?
これは……怪しい。
すごく、怪しい。口調が丁寧で外見がまともなのが逆に怪しい!
「大丈夫です!」
だから何が大丈夫なんだよ、と自分にツッコミながら、三十六計逃げるにしかず。
ファーストフード店に。
注文して、朝メニューを食べますが、あの紳士? がついてきていたら、と気が気ではありません。
(この時はまだ違いましたが)旦那さん、早く駐車場に停めてー!
そう思いながらも朝食メニューは食べます。
豆の暗黒の食事運は発動しませんでした。
現在進行形でハラハラしていたからでしょうか。
そうしましたら、待ちに待ったメールが!
『着いたよ。駅前駐車場』
きたあ!
はやる気持ちを抑えて、ちゃんと片付けをしてから荷物を抱えて(気持ちは)走り出しました。
店内で走ってはいけません。
そして、店外へ。駅は目の前です。駐車場の場所も知っています!
……そうしましたらば。
目の前に、あの紳士……ではなく、おじさんが! こんなに怖い思いをしたのだから、もうおじさんでいいはずです!
なんと、あちらは車中で運転中。何故駅にいたのだ……。ああ、どこかに駐車していたのか、とか色々考えてしまいました。
こちらは当たり前ですが、歩行者でした。
そして、あちらは笑顔。こちらは……ひきつりますよね。
たたかい、開幕。
豆は必死で、『相手が来ました』アピールをしました。確か、腕で丸を作ったはず。無我夢中でした。
だから、ここからいなくなってくれ! というアピールです。
……伝われ!
すると、おじさんは、うんうん、と頷き、去って行きました。車で。……笑顔でした。
豆は……無事です!
よかった。 本当によかった!
安堵しまして、ゆっくりと駅前駐車場へ。
「どうしたの」
さすがに普通の豆ではなかったのでしょう。
こう訊かれました。
車に乗り、シートベルトを装着してから、ことの顛末を伝えます。
おじさんは、何がしたかったのか。
早朝で時間をつぶせないかも知れない人の話し相手になってあげようとした?
駅にいたのに、車で笑顔だったのは?
まさか、ナンパ?
旦那さんに無事に会えた安堵感から、駅での始まりから路上でのやり取りも話して、それから色々と推理を伝えた豆なのでした。
旦那さんは、とりあえずちゃんと聞いてくれました。
そして、一言。
「おっさんも、暇だったんじゃない?」
まさかの推理。そして、おじさんではなく、おっさん。更に怪しくなりました。
それよりも、ひま。ヒマ。暇……!
いや、豆は色々怖かったんですが!
その色々を述べようとしましたら、次の言葉が。
「多分、そういうこともあるよ。あれよりは」
「あれよりは」
復唱してしまいました。
……あれ、といえば。
豆と旦那さんの間の、共通項。
ジャンピング土下座!
……確かに、あれよりは。
暇だから、も。
ある……のかな。
無理やりに、納得。
それほどまでに強烈だった、ジャンピング土下座店長。
空を
あれを思い出すと、暇だから全くの赤の他人に声掛けもある気がする。……不思議。
ありがたくないけれど、認めたくはないけれど。店長のおかげ……なのか?
一応、決着。
今回の試合。
豆、一応、勝利。ただし、判定勝ち。
今更ながら、紳士? もといおっさんは、何がしたかったのでしょうか。
……まさか、親切心?
豆の姿。
家出、には見えなかったと思います。……と思いたいです。
ちゃんと、待ち人がいた人に見えていたはずです。
ですが、もしかしたら、おっさんは本気で心配していて『待ち人は本当にいたのか、よかった!』と安堵して、車で走り去っていった……? それはそれで、とても嫌ですね。
余計なお世話、極まれりです。
今回も、お読み頂きまして誠にありがとうございます。
万が一、紳士? おっさんを引き寄せたのも豆の運の悪さ故にだとしましたら……。嫌すぎです。
嫌すぎなのですが……次のたたかいは、回転寿司屋さんが舞台でございます。そうです、お食事回です!
残念ながら、こちらは、食事運の悪さがもたらしたのか? とも思えますおじさんとのたたかいです。第4回、第2試合を更新できましたら、どうぞよろしくお願い申し上げます。
今回も、ご感想をお待ちしております。
そして、危険ではなかったけれど、似たようなたたかいの経験があります、というお話もございましたら、そちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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