第119話  第二章の神様は僕・トダ

僕らは3Cのクラスに入った。授業5分前。

みんなやる気のある生徒ばかりで最前列はすでに埋まっている。

僕らは後ろの席に座った。

「よし。席は確保。」弁天、サラは並んで座った。横に氷川、僕、カリヤの順で座った。

サラが「人間界の高校と少し違うかな。人間界の大学に近い感じ。

真面目に学ぶものは学んで。そうでないものは流すよう聞く授業スタイルね。」

僕は「サラそうだな。人間界の高校は天上界で言うと低学年のクラスに似ている。低学年は学校が与える授業方法。高学年は自分で授業を取る、つかむ方法だ。

それに神様は基本つるまないから自然と個々が独立していくんだ。」

「そこトダ君。優秀でも授業中におしゃべりはいけませんよ。新入生のサラ君もだ。」

「ごめんなさい。」先生はチラリとカリヤの方を見た気がした。今日の

先生の授業は厳しくスピーディーに進んだ。カリヤが七色髪のはじまりの神様だとバレているようだ。

カリヤは知らずに真面目にノートをとっている。途中カリヤは手をあげ先生に質問したり答えたりしていた。授業に参加することがとても楽しそうに見える。

カリヤのとって学びという行為が新鮮のようなだ。

そうだな。当たり前か、カリヤはこの天上界を造りだした神様だ。

自分の脳内のことしか、わからない。別の誰かの考えや別の見方で物事を考える、こんな授業なんか受けたことがない。自分自身が歩く法律、世界のカリヤにとって、とても新鮮なことなんだろう。

なんだか真っ白な素直な気持ちで、なんでも吸収しそうなカリヤが羨ましかった。

カリヤの目はキラキラ輝いている。

はじまりの神様に負けられないと対抗心がわいた。

先生が僕をあてる。「ではトダ君。近代史を大まかでいいので説明してください。」

「はい。この天上界のはじまりは50億年ほど前に起きた七色髪のはじまりの神様トダから始まります。無からすべてを生み出した。

配下に妖精サカキ、時を越える鳥、時越え鳥。それに暴れん坊の風神を従えました。そして神様戦争がはじまり、俗世間のような思考、人間に近い思考の金色髪が正統派の銀色髪の神様にやぶれます。勝った銀色髪は天上界へと昇ります。

金色髪の神様は人間界で人間とともに共存します。

これが大まかな近代史です。」

「トダ君、よくできました。その通りです。」

「先生、大事なことを忘れていました。七色髪のはじまりの神様の第二章は、僕、トダが引き継ぎます。第二章のはじまりです・・・」

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空から落ちた神様は高校生になる 京極 道真   @mmmmm11111

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