第118話 天上界の学生になる
朝、はじまり様は僕より早く起きていた。
妖精サカキも起きていた。
「おはようございます。はじまり様、妖精サカキ。早起きですね。」
「おはようトダ。早起きは、すべてのはじまりを制することができる。
なぜか、七色髪のトダは姿を変えていた。学生だ。「もしかしてはじまり様、学校へ行くのですか?」
「そのつもりだ。この姿だとバレないだろう。
私はこの天上界をも造った。校長達には顔がバレている。」
「なぜ、変装する必要があるのですか?」
「決まっている。退屈しのぎに。」
妖精サカキが咳払い。
はじまり様は言い直し「視察だ。天上界がどのようになったか。トダも私のことは、カリヤとでも呼べ。」
「はい。」仮の名だから、カリヤ?以外と単純だ。笑う僕。
「違うシンプルだ。行くぞトダ。」しまった。
心を読まれた。妖精サカキは留守番。
僕らは早速、図書館へ直行。司書のイセさんに勝手に持って来たことを誤った。
「そうですか。次からは、貸出データを通してくださいね。トダ君」
そしてカリヤをチラリ見て。「君も本から出る時には許可が必要です。」バレてる?
カリヤが小さい声で「ごめんなさい。」つぶやく。
イセさんが「カリヤ君、ごめんなさいをすぐ、言えるのは偉いです。学校生活楽しんでください。」
今後は元気に「はい。」とうれしいそうに返事。
はじまり様は素直だ。
「トダ、授業は?」
「専攻科目で授業を選んで受ける。学年もバラバラで正直生徒同士の顔はみんな覚えていない。カリヤが知っての通り、基本神様はつるまない。」
「そうだったな。」
「カリヤ、今日は近代歴史だ。3Cのクラスに行く。」
「おーい、トダ、氷川が呼ぶ。」横に弁天、サラもいた。
弁天が「トダ、横の、ひょろっとしたイケメン君誰?」
「僕の友人さ。カリヤだ。」
「へえー、はじめてだよね。」
「そうだな。基本僕は誰ともつるまないからな。」
「えっ?」横のサラがケラケラ笑い出した。
性別は私が造ったが、女子はよく笑う。
七色髪はじまりの神であるカリヤ私は、どちらでもない。後継者のトダも・・・
何も考えずこの世界を造り出してきた。
見てしまうとこの世界に紛れてしまうと
何かのカセがつくようだ。
再び笑い声。
「カリヤ、冗談でしょう。今、トダとつるんでいるよね。」
「そう言えば、そうだな。」意識が戻る。
「私はサラ。人間界から来たばっかり。よろしく。」
「私は弁天。よろしく。」
氷川も握手している。
カリヤの学校生活がはじまる。
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