第117話 はしゃぐ七色髪トダ

「よいしょ』七色髪のトダが本から出てきた。

「久しぶり僕の後継者のトダ。」

「はい。お久しぶりです。50億年の神様戦争の時にはお世話になりました。妖精サカキは元気ですか?」

「彼は相変わらず、元気です。そう言えば、人間の生け贄を餌に大人の神様達を集めて、懲らしめる計画はどうなりましたか?私の所にも連絡があったとサカキが言っていたが。」

全て見透かされている。嘘はつけない。

「ご存じの通り、私の惨敗です。人間に騙されて、自分が落とし穴に神様達と落ちてしまいました。」

「そうだな、仲間だと思っていた奴に騙される。よくありことだ。特に人間界では。」

「神様にはそんなの無いんですか?」

「神様は基本つるまない。それぞれに力があるからな。僕の後継者のトダよ。

お前は,まだまだだな。」

「そうですね。ところで、七色髪のトダ様」

「ちょっと待った後継者のトダ。トダ、トダでかぶるのはややこし、私のことは”はじまり”と呼んでくれ。この時代の天上界の皆はそう呼んでいる。ちなみに正確には、”はじまり様”だが。」

「わかりました、僕も”はじまり様”と呼びます。」「そうしてくれ。」

「はい。それでこれからどうされますか?」

「そうだな。とりあえず、寝る。夜だ。朝に学校へ行くとしよう。」

「はい。」はじまり様は「ベット。ふかふか。」と言葉に発した。

ベットが目の前に実体化。さすが。

「トダ、やりたいこと欲しいものは口に出しなさい。繰り返すうちに、容易く実体化できる。逆に何も口にださないと、何もできない何も始まらない。

がんばれたまえトダ。それに究極は何も口に出さずとも脳内で考えただけで実体化、実現化する。もちろん私はできる。」

「すごいですね。」心から思った。「では寝る。」はじまり様はふかふかのベットで、すやすや。無邪気な子供のような寝顔だ。

僕は表紙Aの『七色髪のはじまりの神様トダ』の本を机に置いた。本の中のはじまり様が本から出て来たせいか、本が軽くなった気がした。

さてどうしようか。明日、学校か。まずは司書のイセさんに一番に謝ろう。

そのあと校長室へ行かなくては。そうだ先に娘のヒイラギさんの所に行こう。

僕は脳内で明日のシュミレーションしていた。はじまり様は、寝顔と同じく無垢で無邪気で裏が無い。その分、正直難しい。こんな時、妖精サカキがいてくれたら。「呼びましたかトダ。」50億年前の神様戦争時代から妖精サカキがはじまり様を追ってきた。

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