怪獣が見たい
その日は突如して訪れた。
地平線の彼方から山を越え、
そいつは高層ビルよりも高く、
巨大な足が地面を踏みしめる度に大地は軋み、
車が玉のように転がり回る。
現状に理性が理解が追い付かない人々。
逃げ惑う群衆。
そんなカオスを認知していないであろう
巨体の剣山如く鋭い牙の奥から、放たれ赤く熱された
光線が辺り一帯を焼土化す。
焼かれ大地には身を焦がすほど蒸気が漂い、
すべてを黒に染めた。
怪獣が放つ叫びは建物、空を震わせ、
我々を恐怖の檻に誘う。
あるものは立ち尽くし、
あるものは慟哭くし、
あるものはかのものを神と恐れた。
この絶望から逃れる術は我々に残されているのか。
という設定を頭の中で思う浮かべ、
会社へ向かう。
いつか鬱屈した毎日を変えてる
夢見て、今日もまた夢想する。
ショートストーリー カズマ @zizelu
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