第8話罰

七瀬が証拠の映像を先生に提出したことで、カナコ達3人は先生に呼び出されていた。

放課後、七瀬が廊下を歩いていると、日比谷ハルが向こうから歩いてくる。

「随分と上手くやったみたいだね。器物破損に殺人未遂。間違いなくカナコ達は退学処分だろうね。」

「随分と情報が早いわね。」

「ククッあいつら退学処分言い渡された時相当喚き散らしていたよ。滑稽だった。」

そう言い残し、立ち去っていく。その背中を七瀬は見送る。

(シビトはついていなかった…日比谷ハルはシビトをまだ取り戻していない?いや…仮に取り戻したとしても私たちの視界にシビトが、入れば疑われると分かっているはず。何か見えないように細工でもしたのかしら。)

「七瀬さんちょっといい?」

サチエが七瀬に話しかけてくる。

「あぁ。サチエどうしたの?」

「学校側がこれ」

サチエが七瀬の破かれた教科書の代わりに新しい教科書を先生に七瀬に渡すように頼まれたのだという。

「ありがとう。」

「どういたしまして。それよりなんで破かれた教科書を補填してくれるの?確かカナコの不法侵入はバレてないはず。」

「私がカナコに破かれたことを言ったのよ。忘れ物を取りに来たものは職員室に名前を書かないといけなかったはずよ。私がそこを確認すればカナコの名前があるはずだからそれが証拠であるということを伝えておいたわ。」

「本当に全てお見通しだったってことね…」

「だけどテストの邪魔されて今回はまずいんじゃないの?」

サチエに聞かれるも七瀬は自信満々に

「私がたかが、テスト2週間勉強出来なかったところでテストの結果に影響はないわ。そもそも高校生の勉強なんか既に終わっているわ。」

「すごい自信だね…」

若干サチエが七瀬の自信に引いている。しかし、同時に七瀬は毎回総合満点の1位を取っているため、納得せざるおえなかった。



同時刻山本も校長室に呼び出されていた。

「山本くん。この写真に写っているのは君かな?」

教職員が一枚の写真を山本に見せる。

それは山本が違法薬物を取引している証拠写真だった。

「あいつ!!」

「山本君荷物をまとめなさい。」


その頃日比谷ハルは屋上に来ていた。

「今日の放課後山本を殺す。シビトも少し協力してもらうぞ。」

「僕が直接的に殺すのはダメだよ?」

「そんなつまらない殺し方しないさ。面白いとの見せてやるよ。」

そういうと、日比谷ハルは丸鋸を使い、屋上の腰まであるフェンスを切り始めた。

「放課後は雨が降るんだっけ?」

「うん。土砂降りだよ。」

「それは好都合。」

放課後になると、日比谷ハルは山本にメッセージを送る。

君のマヌケな顔をみたいから屋上にこいよ。

山本はそのメッセージに気がつくと、激怒しすぐさま屋上に向かった。

そして、土砂降りの中山本は屋上に辿り着くと日比谷ハルがいた。

「来たか。どうだい?今日のサプライズは?」

「てめぇ、マジでノコノコ俺に殺される為に目の前に現れるなんてな。」

山本は包丁をポケットから取りだし日比谷ハルに向ける。日比谷ハルの顔が少し曇る。

「どうした?死ぬのが怖いのか?まぁ仕方ねぇよな?人の人生潰してんだからよ?」

「…まぁいいだろう。どうせ君にここで殺されるぐらいならここから飛び降りて一か八か助かる方にかけた方がいいだろう。」

日比谷ハルはフェンスに近づきフェンスを触らないように乗り越えるとそのまま屋上から飛び降りた。

山本がすぐさま日比谷ハルが死んだか確認する為に

、フェンスから身を乗り出す。(屋上から下を確認するにはフェンスから身を乗り出さないと確認できないため)その瞬間ガタンと音を立てたかと思うと、フェンスが壊れ、山本はフェンスごと屋上から落下した。

「うわぁぁぁぁ」

落下している最中に山本の視界に映ったのは日比谷ハルが教室の中でたっている姿だった。

それを最後に山本は大きな音をたてて事切れる。

血の海の中で。

シビトが感心している。

「なるほどね。まず始めに、学校のフェンスに丸鋸で切断しておくことでフェンスに体重を預けたらフェンスごと落下しておくようにしておくようにしておく。そして日比谷ハルは縄で自分のお腹にくくりつけておいて、それをシビトの僕に持たせることによってシビトのついていない山本には縄が見えない状況になる。

後は簡単。君が飛び降りた後その下にある教室にいる僕が君のことを引き上げれば君が飛び降りたように見せかけることができる。山本は確認する為にフェンスに体重を預け下を確認すると落下し、死ぬって訳だ。」

「今回の案はマコトと七瀬からアイデアを貰った。あの二人は過去にシビトにアラームを持たせそれが聞こえているかどうかでシビトが付いているか判断した。」

「でもいいの?今回は死体消せないけど。」

「今回は死体が見つかってもいいように、今からちょっと細工するつもりだよ。」

日比谷ハルは横たわった死体に細工を始める。

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シビト himatubushi @himatubushi4628474

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