第7話逆転

「誰かと思ったら七瀬かよ。先生が来たのかと思ったわ…ていうか、なんで辞める必要あるの?」

カナコはすぐさまカッターナイフをサチエの顔目掛けて振り下ろす。

しかし、七瀬はそれよりも速い速度でカナコを蹴り飛ばした。

カナコが大きく吹っ飛ぶ。

取り巻きのふたりがすぐさま七瀬に飛びかかってくるも七瀬は完璧な距離のバックステップで攻撃をかわしすぐさま強烈なストレートを顔面に叩き込み、1人を倒す。もう1人がすぐさま首を締めようと突進してくるも膝蹴りをお腹に放ち、倒した。

サチエは膝から崩れ落ちると足をガクガク震わせながら、震えた声で

「どうして助けに来たの?」

「あなたの様子を見てたら、注意しに行ってるだろうと思ったからよ。」

「あ、ありがとう…」

カナコが起き上がるとカッターナイフを拾い、

「七瀬ぇ、サチエぇ、お前ら2人ともマジで殺してやる!」

カナコが七瀬に近づきカッターナイフを振ってくる。

七瀬は近くにあった机を盾にしてそのまま押しこんでカナコを机と教室の壁でサンドイッチにする。カナコはサンドイッチにされる直前に膝を曲げてスペースを作り、

「邪魔なんだよ!」

その隙間から抜け出した。

そしてすぐさま七瀬の顔目掛けてカッターを横に振る。

七瀬の髪先に少しカッターナイフが当たるもギリギリで七瀬はしゃがんで回避する。

そして、1度距離をとる。

(思った以上にあのカッターナイフ厄介ね。素手の相手と違って1回でも当たればゲームオーバーと考えたら相当やりにくい。だけどこいつ、狙いが単調…顔ばかり狙ってくる。もう一度攻撃をしてきてどこに狙うか確認するべきね。)

再びカナコはカッターナイフで七瀬の顔目掛けて縦振りに攻撃してくる。七瀬が後ろに交わすと立て続けに顔目掛けて横縦と振りかぶってくる。

七瀬は縦振りのタイミングに合わせて椅子を取り自分の顔辺りまで下から振り上げる。カナコのカッターナイフは椅子の勢いに負けカッターナイフが吹っ飛ぶ。

「いって」

カナコが手の激痛に気を取られてる間にカナコの顔に強烈な左ストレートを叩き込む。

鈍い音を立ててカナコは気を失い、膝から崩れ落ちた。

サチエは「怪我はない?」と七瀬の方に駆け寄った。

「えぇ。何も怪我はないわ」

「よかったーでも…これこいつらが私たちに暴力を振るわれたって先生に言われたら…」

「何も問題ないわ。正当防衛よ。証拠もある。」

そう言うと、七瀬は自身の設置していたパソコンを指さす。

「まさか…全部計画通りだったの?」

「本当は赤本を破ってるところを先生に提出する予定だったけど、サチエが注意しに行ったから予定が変わったわ。」

「ごめんなさい…私余計なことしたよね?」

「いいえ。貴方が動かなかったらおそらく謹慎処分程度で済まされていたかもしれないわ。でも、今回の彼女たちの貴方への暴行や私を殺そうとした状況を証拠として残せたことでおそらく退学処分にすることが出来るわ。」

「むしろ、私を心配してくれてありがとう。貴方はカナコ側の人間だから見て見ぬふりをすればいい立場にあったはずなのに、貴方は正義を貫いた。」

教室に夕日が差し込んできた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

シビト himatubushi @himatubushi4628474

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る