冷や水を浴びせられた幕切れ
そしてヘアピンに到着して14時50分。国歌独唱も終わり、いよいよシグナルを待つばかり……。
……というタイミングで降ってきてしまいましたよ、再びの雨が。これに各陣営ピットクルーが慌ただしく動きを起こします。レインタイヤにするか、ドライで行くか。なんとも難しい状況で本日のメインイベント、MotoGP決勝24周がスタートしました。
降り出した雨は時間の経過とともに強さを増し、3周目終了のタイミングでほぼ全員がレインマシンに乗り換え。なおMotoGPではタイヤだけでなく、足回りとかも雨仕様にセッティングされたマシンにライダーがさっと乗り換えてしまうのだー。
5周もするころにはレースはピットタイミング次第、転倒次第の運任せ、「雨ガチャ」の様相を呈してきます。ヘアピンで見ていても、大きくラインをふくらませてしまうマシン、立ち上がりでテールを暴れさせるマシンが続出。おかげでMotoGPマシンの挙動を存分に観察することができましたが……四輪(空力付き)と違い、サスペンションを積極的に動かす方向でセッティングを決めているようですな。近年は空力デバイスも発達してきているとはいえ、まだまだ二輪は足回りで曲げるものと言う思想が見えて取れました。
このハードなコンディションで輝きを見せたのが、転倒骨折事故以来どうにも往年の輝きを取り戻せないでいたホンダのスター、マルク・マルケス。次々と追い抜きを決め、3位までポジションアップしてきます。この調子なら、もてぎで奇跡の復活優勝あるかも……?
と期待した矢先、12周目終了。雨はいよいよ激しさを増し、近場のフラッグポストのシグナルについに「赤」が点灯。レース中断です。
正直この雨は観戦している側にもこたえる。例によってカッパ持参とはいえ、体温は着々と奪われていきます。
この状況をごまかすように場内アナウンスが。再開すれば残り12周のレース。土曜日のスプリントがやはり12周。合わせて12周レースの三本立てになる……って、スーパーフォーミュラ・ライツかよ! こっちゃ冗談にウケている余裕はないねん。
15時50分、レース再開に向けて二度目のパレードラップが始まるも、この間に再び雨足が強くなり。フラッグポストに再びの赤が灯ります。2ヒート目は始まることなく、ライダー達、マシン達はピットへ。ほどなく「これをもってレース成立」のアナウンスが入りました。
正直ちょっとどころではない消化不良感を残しつつも、優勝マルティン、2位バニャイア、3位マルケスのリザルトを聞き届けて、とにかく後に体調不良を起こさないよう手早く撤収となりました。
日本人ライダーの中上貴晶選手の順位は……確認していません(爆)。いまいちどころかいまふたつみっつ、冴えないところをウロウロしていますからねえ。年齢的にも、中上選手はもうピークを過ぎた感があります。今後これ以上の成績を期待するのは厳しいのではないですかねえ。
去年のF1といい、肝心なところで雨にたたられてしまったなあ……。
一日を終わっての総括。
会場の雰囲気として、「ここをどこだと思ってる? 来るならバイクで来い!」という硬派すぎる空気ではなかったのは幸いでした。四輪で来場される観客、自分のアシがなくバスで来た観客も暖かく受け入れてくれる包容力でした。
レーサー・バイクの挙動については、空力の影響力がそれほど強くないせいか、街中で見かける市販のバイクとさほど差はないように私には見えました。少なくとも四輪のレーサーのような、「こんなの本当に人間が操れるの?」という目にも止まらぬキレッキレの走りではなかったですね。これMotoGPクラスに関しては、雨の影響もあったかもしれませんが。
しかしWEC富士と合わせての実感では……やはり短いスパンで立て続けにレース観戦は体力使いました! とくにどちらも、かなり歩きましたからねえ……。
ともあれ、「一度二輪のレースを観てみたい」という願望はこれでクリア。次に観戦記を書くとしたら、いよいよ日本にでも公道レースが解禁される「Formula E」になる予定です。2024年4月ごろまで、しばしお待ちを。
【諸般の事情により本番描写控えめ】2023MotoGP日本グランプリ観戦記 飛鳥つばさ @Asuka_Tsubasa
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