9 エピローグ
警察署の屋上で、柵にもたれながら夕日を眺め、煙草を吸う。
意外と呆気なく、ネットで騒がれた”
今、インターネット上でされている考察合戦もその内ほとぼりが冷めるだろう。
世の中そういう風にできている。
真実は、インターネット上でされた様々な考察とは全く違ったもので。
刑事でありながら、そういった考察を調べては追うを繰り返し、少しばかり参考にしようとしていた自分が恥ずかしくなってきた。
そういや…
なんで最初に見たあの考察記事はあんなに詳しく事件のことが書かれていたのだろうか。目撃者である中年女性さんでもない限り、知りようがないことがたくさん書かれていた気がする…
―――いかん。そんな風にいつまでも同じ事件のことを考えてはだめだ。
頭を振って、考えることを取りやめる。
―――新しい事件は常に起こり続けるのだから。
茜色の空にある雲に混ざるように、私の吸った煙草の煙がモクモクと空へと昇っていった。
凸人事件 村田鉄則 @muratetsu
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