憎しみよりも気高い心

　本作を読んで、私も転校生として新しいクラスに入り、なじめなかったことを思い出しました。
　もちろん、作者は私など比較にならないくらい厳しい体験をしていらっしゃいます。彼女の学校での辛い日々を支えてくれたのは、前の学校の友人や、これまで家族と築いていた絆だったのでしょう。
　かつての小学生、そして今の小学生の中にも、彼女のような理不尽な仕打ちをうけられた、もしくは今うけていらっしゃる方がいることでしょう。本作がそういった方々の戦う力になること、さらに理不尽な仕打ちをうけた方の力になられる方が一人でも増えればと願ってやみません。