様々な人の思いを受け継ぎ、私はバイクと走る。

 突然の病気で車椅子生活になり、生きる気力を失っていた直子が、亡くなられた車椅子の女性が愛用していたバイクを引き継ぎ、一人で大学生活を送るまでに回復します。そして彼女を気にかけてくれる先輩の麟太郎とともに、祖父母たちの故郷を訪ねるツーリングに出ます。
 岐阜の自然溢れる風景の描写も素晴らしく、その自然に飲み込まれようとしている故郷への哀悼と、旅を通して新たな絆を結ぶ直子の将来に幸あれと願いたくなりました。