第32話 結局どちらが超能力者だったのか?
ここからは余談だ。
二人でセルンの廊下を歩いている。
「そう言えば真鈴はいつ俺のことを好きになったんだ?」
「当ててみてよ」
「出会う前からだろ?」
「せいかーい。君のも当てて見せるよ」
「やってみろよ。といっても好きって気づいたときと、好きになった時は違うけどな」
二人で笑顔を浮かべながら、歩き出す。
「うーん、一つ質問していい?」
「何だ?」
「一目惚れ?」
「なっ、何で分かったんだ?」
「やっぱり」
「よく当てられたなぁ」
「ところで話は変わるんだけどさ。超能力者っていると思う?」
「え? まあ、いなくはないんじゃ無いか? というか急に話が変わったな」
「例えばどんな?」
「え? そりゃあ、俺たちだって傍から見れば超能力者みたいなものだろう」
「そう言うのじゃなくて、一目で超能力者だと分かるんだよ。けれど本人は気づかない。そういう超能力だってあるんじゃないのかな?」
その言葉に真夜星は考える。
「うーん、あるのか? そんな能力。例えば?」
「そうだね、ヒントをあげる。本人は人から言われない限り絶対気付かない。けど気づいた人は言わない。そんな能力かな。いいや言ったとしても証明する手段が簡単にはないといった感じかな」
「えー、言われないと分からない超能力ってことは本人にも自覚がないんだろ? そんな能力なんて存在するのか?」
「良いから考えてみてよ」
「うーん。わからない能力か」
あ! と真夜星は声をあげる。
「目の色が変わる能力とかどうだ? 鏡を見ないと分からないだろう?」
「うんうん、どんな時に変わると思う?」
「鏡を見ないような時だから……切れてるときとか? いやもっと広範に感情が高ぶったときとか?」
「んふふふふふ」
ニコニコと笑みを浮かべる少女。
その姿を可愛らしく思いながらも、真夜星は疑問を浮かべる。
「何でそんなの超能力のことを……、待てよ。俺が一目ぼれしたって気づいたのは……」
真夜星は恐る恐る尋ねる。
「もしかして、真鈴と出会った時、俺の目の色って変わってた?」
その問いに、真鈴は煌めくような笑顔を浮かべてこういった。
「なーいしょ!」
二人は歩いていく。
二人の天才が手を取り合っていく限り、この世界に永久の繁栄がもたらされるだろう。
そして二人が仲違いをすることはあり得ない。
タイムマシンに誓って、あり得ない。
そう言えるだろう。
タイムマシンに誓って ~IQ300の天才と超能力者の大恋愛~ ポテッ党 @poteto_party
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