規格外の聖女たち。欲望を持つのはいけないことですか?

 数百年に一度あらわれるという奇跡の大聖女ミシェル。彼女の左手には、大聖女の証である七色の華紋が確かにありました。
 教会まえの広場から、そんな大聖女さまの挨拶をうっとりと見つめていたのはこの物語の主人公。雪のように真っ白な髪を持つ、下級聖女のマルティアです。

 この世界において白髪は縁起が悪いとされているため、他者からだけではなく両親からも虐げられきたマルティアですが、ひょんなことから大聖女ミシェルのお世話係に任命されてしまいます。まあ、ミシェルの秘密を知ってしまったから、なんですけどね。
 作中では絶対的な秘密とされていますが、読者には最初からタイトルでネタバレされていますね。はい。大聖女さまは男です。殿方です。メンズです。

 いったいなぜ、男であるミシェルが大聖女となったのか。
 そしてマルティアにも、なにやら本人も知らない秘密があるようで……?

 さくさくと読みやすい異世界恋愛ファンタジーですが、核となるテーマは誰もが持つ心の闇と欲望。マルティアたちがどう向きあっていくのか、ぜひ見届けてください。

 ちなみに、ミシェルとはまたべつの意味で規格外なのが二章から登場する特級聖女のダイアン。
 はやくも彼女を主役にしたスピンオフが書かれてしまうほどの個性の持ち主です。タイトルからして『ぶっ飛んだ聖女様の、恐怖のリサイタル』ですからね。未読の方はこちらもお読みになってみるとよろしいかと。

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