第7話 10月3日

箱の中に何があるのかいまだにわからない。


ただ、紙切れに名前を書いて箱を傷つけると、名前を書かれた人も傷つくのがわかった。

しかも、それは『あなた』や『彼』といった代名詞でも構わないらしい。


だからと言って、祐介には誰かを傷つけたい人などいない。もしかしてら、自分は誰かに恨まれており、そのため箱が届けられたのかと思ったが、彼には思い当たる人などいなかった。


とにかく、箱が傷つけば誰か危ない。そのため、箱を大事にしまうことにした。

といっても、しばらくは入院が続くだろうから、棚の奥にしまい込んだ。


問題は紙切れだ。

そもそも、紙切れに名前を書かなければ、箱を傷つけても安全なのではないかと思った。

ただ、試して見る勇気は彼には無く、無くさないように手もとで保管することにした。


そんな矢先だった。

祐介が検診を受けベットに戻ると、紙切れを無くしていた。


慌てて探し回ったがどこにもおらず、とうとう見つけることができなかった。

ふと、棚の中にしまった箱をみると、当然のように無くなっていた。


あの箱はどこにいってしまったのだろうか。







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箱の中 遊bot @asobot

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