まほろばの、優しい海亀の記憶。

鄙びた海辺の町を舞台に、少年たちの
冒険が始まる。

幾度かの大波で大破した木造の小学校。
遠く波間の煌めきは、幾多の困難を越えて
今という安寧の時間を齎す。

夏雲の合間から差す光の如く。

真夜中の廃校舎の扉を開けると…そこには
不思議な世界が広がっていた。煌めく鱗の
乱反射、館長を名乗る謎の人物と、数多の
海の生き物たち。
        過去の海難事故の記憶。

それ等は一体、何 なのか。一体何処から
流れ来て、何処へと向かうのだろうか。

喫水の如き 夢のあわい に立つ彼らが
見たものは…そして彼らの行動は。
丁寧に描かれる懐かしい風景が胸に迫る。


『カクコン短編賞受賞』コミカライズ作品
文字で読むも佳しコミックで読むもヨシ。
(月刊コミックフラッパー2024.12号にて)

その他のおすすめレビュー

小野塚 さんの他のおすすめレビュー563