第5話

第5話「翼を持つブラックスワン」


「ブラックスワン」のレースは迫っていた。ジョンはすでにその馬に大金を賭け、更なる財を築くことを目論んでいた。川端の情報によれば、ジョンが勝利すれば、NMWを手放すことなく、さらに他の中小企業を乗っ取るための資金が手に入るという。

一方、瑞希と彼女のチームは違う方法でジョンに立ち向かおうとしていた。彼らは、NMWの新たな事業計画と、新谷教授のネットワークを駆使して、新たな投資家を引き込む戦略を進めていた。

桜井は、瑞希に「あの男(ジョン)の弱点は、過度な自信だ」とアドバイス。桜井は、以前ジョンと対立した経験があり、その際に彼の弱点を見抜いていた。

一方、新谷教授は、自身の学生や大学のネットワークを活用し、瑞希たちの事業計画を多くの人々に知らせることで、広がる波紋を期待していた。

川端は、ギャンブラーとしての直感を頼りに、ジョンの賭けに対抗するための策を練っていた。彼は、「ブラックスワン」の他の競走馬や馬主たちと交渉を始めた。その目的は、レースの結果を予測することではなく、予測不可能な「ブラックスワン効果」を生み出すためだった。


レースの日、競馬場には多くの人々が集まっていた。瑞希と彼女のチームも、このレースの結果が自らの運命を左右することを知っていた。

レースは、ジョンの予想通り「ブラックスワン」がリードしていた。しかし、最後の直線で予想外の事態が発生。別の馬が驚異のスピードで追い上げ、「ブラックスワン」を逆転した。

ジョンの表情は青ざめ、彼が賭けた大金は水の泡となった。


その夜、瑞希たちが集まったバーで、川端がにっこりと笑って言った。「時には、命運の風は我々の味方にもなる。」桜井は彼の言葉に同意し、新谷教授もニッコリと微笑んだ。

しかし、彼らの戦いはまだ始まったばかりだった。

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ソーシング 米井田 疇 @Komeida

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