「生きよ。生きて黎明を勝ち取れ」

※【断章】『冥王』I まで読了時点のレビューです。

 不可視の怪物「オニ」。突如として発生した脅威によって、滅亡の危機に瀕した世界。

 しかし、希望の光もまた突如として兆す。「オニ」を視る力、そして、怪物に抗う為の「呪力」を持つ人々が現れたのだ……


 こちらは「オニ」から世界を護る組織「オーミーン」に所属する隊士達の物語なのですが……何と言っても、キャラクター力が凄いです!

 日本の妖怪の名を持つ「オニ」達との、各々の武器・能力・戦闘スタイルを活かした臨場感溢れる戦闘シーン。チームによる連携が大変熱いです。命と想いを懸けた戦い、展開のドラマチックさに、思わず「無事に勝って……!」と祈りながら読んでしまいます。

 「今日会えた大切な人に、明日も会えるか分からない」……残酷に廻り続ける世界の中で、キャラクター1人1人に過去があり、それによって形作られた現在の「自分」があります。

 それぞれの想いが繋がりあい、仲間達の力がひとつになることで、尊い未来を勝ち取ることができる。そんな印象を受けました。

 第一幕、死力を尽くした戦いのラスト。タイトルにある「黎明」という言葉の意味に気づいたとき、私の心は震えました。

 本当に優しくて強くて、切ない想いを秘めたキャラクターばかりで……
 苦渋の選択ではありましたが、そんな中でも私はシルヴィオさん、ルネさん、ヴィクトールさんを推します(3人)

 私の拙い言葉では言い尽くせないほど、魅力たっぷりの作品です。
 読まないと本当に勿体無いです! 是非!