交差する登場人物たちの過去が最高《完結補足あり》

※素人なので不快になったらごめんなさい

 最初は事件を追っていく内に二人が八咫烏をはじめとした真日本人教へ迫る物語と思っていた。

 しかし、鳥町の過去をきっかけに次々と明かされる登場人物たちの接点に目が離せなくなった。本人たちにその自覚がないのも、もどかしさと同時にこれからの展開を期待させてくれた。

 一番、精神的にも厄介そうな人物が気づき始めたというのがまた面白かった。これに対して真っ直ぐなあの人がどう対応するのか楽しみである。

 また、あの人の孫の執着ぶりもなかなかに良い味をだしている。

 一見大して大きそうでもない事件かと思ったら調べていくうちに、経緯や人物たちの中に全てを繋げてくれそうなピースがある。それらの物語の中への散りばめ方が絶妙。一話、一話の終わり方もいい意味で一段落を感じさせない。

 期待作品だった。以下完結補足↓

 結果は期待以上。真犯人の確保はどうなるのかと思っていたところにまさかの人物がという展開だったが後出し感は無く、ようく考えればという程度が良い。

 作戦と犯行の話、真相全てがいいタイミング、丁度いい長さで最後にタイトル回収。最後に持ってきて「あぁ」と思わせることでいよいよ終わりという心になれる。良い完結への運び方だった。過程の会話が楽しかったのもある。

 バディの会話がテンポがいいのが魅力の一つ。刑事ドラマ終わり特有(偏見)の少しの日常と次なる事件の匂わせは素敵でこの作品もそうである。

 個人的にこの作品の一番すごいところはいい意味で読み返す必要が無かった事だ。
「あれ、ここってなんだっけ?」って確認する必要がない。情報が整理されて各話に置いてある状態なのだ。

 ヒントを常に手に持っている状態で見失うことなく、新展開に合わせて「そういうことか」とスムーズに当てはめていけるのは実に気持ち良かった。

ここまでスムーズに読めるものは貴重である。

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