淡々とした文章と個性あるキャラの両立作品

 ※素人考えなので作者様含めて不快になったらごめんなさい
 淡々とした文章だが、時折風景や主人公の心情で詩人(ちょっとレビュアーの語彙が…)的な表現が入っていて事件ものでもあっさりと飲み込める一話になっている。それが、個性あるキャラと展開が進展していくのだから気がついたら一気読みしている(実際、たったの二回に分けで読めました)。

 主人公の焦りや罪悪感が出てきた時もキャラぶれ感はなく、それが中々出てこない黒幕や手がかりをじれったいと思わせない。ただ主人公やその周りを想像することをすんなり促してくれた。

 アクションシーンも相手の動きをすぐ思い浮かべられるような分かりやすい文章だった。

 最後の主人公の推理?語りというべきか、も周りの反応も含めて現実的かつ、純文学的作品で私が求めていたようなモヤっと感を美しく昇華したような終わり方が最高だった。

 そこからのエピローグを読むとより主人公の言った言葉が重く響いて何か考えさせられる。そしてそれぞれ印象というものは充分あるキャラたちの中であまり意識してなかったある人物が一気に色づく。白黒からカラーになったようだった。彼がその選択する前に、既に手遅れだったと分かっていても主人公の言った言葉を思うと余韻が残る。是非とも、この言葉が気になったのなら最後まで読んで欲しい。

 言葉にできないだけで感じた事はいっぱいあるがとりあえずここまで。
(知った顔で語りすぎてごめんなさい)