かって、某同人誌に参加していて、「純文学」を書いていたこの私ですが、何度も、聞いた事も無い文芸賞に応募しても、最高で、佳作(次点)までしか、通過しなかったこの私です。さすがに、同人誌の編集者の方から、「純文学」は諦めて、「推理」や「ホラー」に転じたらと、アドバイスを受けました。でも、この作品を読むと、確かに、これほどの繊細な心理描写は、書けないかも……。純文学の香り満載の、この作品を、強く、お勧め致します!!!
男は、その視線から逃れられない、そんな魅力の持ち主。女は、結婚間近(別の人と)。何が始まり、何が終わり、何が残るのか。見つめすぎずに、ぜひともご覧下さい。恋愛じゃなくても、関係は残るのです。敢えて、の感情を揺さ振られたい方に。おすすめ申し上げます。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(315文字)
いけないことなのは分かってる。でも……。彼との結末がどうなるのか。ぜひお読みになって確かめてみてください。特に主人公の心情描写は読み応えがあります。
湿気った夜の気配は彼女の慰めになるのだろう。彼は誘蛾灯のように私をかどわかし、まんまとその魅力に魅入られてしまう。月光は優しく私を照らす。どこかさみしい雰囲気を湛えて。