凡人、ダンジョンに潜るってよ

014 ５日目と兎カツ定食

５日目。

昨日と同様、朝9時半から探索を開始する。ダンジョンに入り、狩りを始めると昨日までとは違う感覚に思わず笑みが溢れる。昨日までレベル4だった【歩法】がレベル6なったことでその移動速度が大幅に上がっている。これならば昨日よりも兎たちを狩れそうだ。

その感覚通り昨日よりも多く、小兎が161匹、兎25匹とかなり良い結果だった。経験値にして286EXPである。今回の探索は偶々兎が多かったので、実際は250EXP程度に落ち着くだろう。それでも昨日より50程一回の経験値量が多いことになる。五回の探索で凡そ1250EXPが入手できると思われる。となると、明日の午後一回目の探索でレベル7に上がるだろう。

そんなことを考えていると30分の休憩が終わり、本日２度目、午前最後の探索を行う。先ほどと同様に順調に進み、小兎170匹、兎9匹であった。先ほどに対して大きな下振れである。得られた経験値は215EXPだ。１度目の探索と合わせて合計501EXPなので、合わせると納得感のある数字ではあるのだが、気分的には少し残念である。

それはさておき昼休憩だが、昨日の反省を踏まえて、１時間半の休憩を取ることにする。買取を済ませ、ダンジョン近くにあった定食屋に行くことにする。ここで、ファストフード店に行ってしまうとコンビニとそう変わらない。ここは栄養バランスの良さそうな定食屋を選択する。

中に入るといい雰囲気の店で、昔ながらのthe定食屋といった趣だ。店員さんに席を案内され、メニューを見ると中々、面白いメニューがあった。

「すみませ〜ん」

店員さんを呼んで兎カツ定食を注文する。近くに兎のダンジョンがあるからか、他所で食べるよりも安そうである。最近は兎ばかり狩っているが兎肉を食べたことはなかった。折角だからこの機会に食べてみるのもいいだろう。最初に出されたお冷を飲みながら兎カツ定食が届くのを待つ。

十数分待つと漸く到着。楽しみだったからか少し時間を長く感じてしまった。箸を手に取りまずは味噌汁を一口。その後本命の兎カツを口にする。やや、淡白でありながらも僅かな野生味を感じる。似ている肉は鶏肉だろうか。チキンカツのようで美味しい。食べ進めると20分もかからずに完食となった。兎肉を食べることは今までほとんどなかったが、また食べたいと思える味だった。この店は定期的に通ってみるのもいいかもしれない。

久しぶりの外で食べるしっかりとした食事に満足した後は午後の探索である。昨日より３０分遅い１３時３０分にダンジョンに突入し、午後１回目の探索を始める。もはや変わり映えのしない狩りだが美味しいものを食べたからか少し調子がいい気がする。とはいえ油断は禁物。浮ついた気分でダンジョンは探索するものではない。気分良いまま、気は引き締め１度目の探索を終える。結果は小兎169匹、兎13匹とそれなりに良い結果だった。経験値換算で234EXPだ。残りの午後の探索もこの調子でいこう。

そう気合を入れて探索をした結果、午後2回目こと本日4回目の探索は小兎157匹、兎26匹と絶好調であった。経験値換算で287EXPだ。続く午後3回目...本日最後の探索は小兎154匹、兎20匹だった。経験値換算で254EXPである。

そんな訳で、今日の探索では小兎811匹、兎93匹の討伐となった。今日の総獲得経験値は1276EXPだったので、次のレベルまでは664EXPとなる。現在までの総獲得経験値は3166EXPだ。そして、兎系の討伐数が今までの合計で、小兎が2211匹、兎が191匹となった。これにより兎系の討伐数が2000を超えたので［兎の敵］のLvは2に上がっている。ちなみに今のステータスはこんな感じである。

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名前　安善 大地

性別　男

種族　普人種

職業　見習い狩人 Lv6

状態　平常

魂位　：１

生命力：１５

魔力　：７

筋力　：１９

体力　：１６

知力　：６

精神力：８

敏捷　：１４

器用さ：１５

抵抗力：１０

魅力　：８

幸運　：８　

ＳＰ　：０

獲得スキル

【短剣術】Lv1

【投石】Lv2

【奇襲】Lv1

【歩法】Lv6

【索敵】Lv3

【危機察知】Lv1

獲得称号

［兎の敵］Lv2

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能力値については、Lv4時点よりレベルアップによって筋力は大幅に上がったのだが、敏捷は運悪くあがらなかった。今のスタイルだと敏捷が高い方が嬉しいのだが、こればかりは運なので仕方がない。

それにしても、補正のないステータスはやはり伸びにくい。見習い狩人の内は魔法系のステータスは関係ないとはいえ、見栄え的に均等な方がよく感じるのは僕だけなのだろうか？まあ使わないステータスばかり高くても問題なので今のステータスに不満を持つことはない。

レベル7まであと少し。次のレベルでは敏捷が上がってくれると嬉しいのだが。効率よりも安全ではあるが、効率があるに越したことはない。敏捷は高すぎるぐらいで丁度いいのだ。Lv10になる頃には16程度まで上がってくれるとありがたい。他ステータスも複数の職業を経由する以上、余すことなく使うので勿論伸びた方が嬉しい。もしかしたら最初よりも少しばかり高くなったLUCの恩恵があるかもしれない。

閑話休題。

今日の探索はこれで終わりなので、手早く換金を済ませて家に帰る。今日の晩御飯は何にしようか。そんなことを考えながら帰路につくのだった。