第1話の主人公・白のキャラクターが第一印象から好きになれる。一ヶ月待ちに待ったVRMMO「ワンオン」にようやくログインし、初期ガチャで引き当てたスキルが不人気筆頭の【吸血】——「血を吸うと体力回復&スキル奪取、ただし太陽下でステータス3割ダウン、しかも血が不味くて全員吐いた」という、設計者の意地悪が滲む問題スキルだ。
しかし白のリアクションが絶妙にいい。「はぁ……」と肩を落としつつも、スキルシステムを冷静に分析し、「取り敢えずはこのままいこっ」とあっさり折り合いをつけて前に進む。弱音や自己批判がなく、現状を受け入れて即チュートリアルへ走り出す姿が清々しい。
三姉妹の長女から手に入れたゲームという導入や、「いつも同じアバターを作る」習慣など、キャラクターの背景が自然に見えてくる第1話の密度は高い。のんびりと書かれているが、実は丁寧に組み上げられた作品だ。