第3話:マーラの生活必需品。

俺はマーラを連れてスーパーへ買い物に出かけた。

迷子にならないよう手をつないで。


マーラの生活必需品・・・それにオヤツも少しは買ってやらないとな。


マーラは日本のスーパーが珍しいのか迷路みたいな通路をあっちこっちはしゃぎ

ながら走り回った。


「こらこら・・・走り回ったらダメだぞ、他のお客さんの迷惑になるからな」

「遊園地じゃないんだから、おとなしくしてろ」


やっぱり子供だよな。

マーラにとって広めのエリアはどこでも遊園地になっちゃうんだろう。

俺も自分が子供の頃はああだった気がするから気持ちは分からんでもないか。


マーラのものはほぼ、百均。

とりあえず歯磨き粉に歯ブラシ、タオル類、洗面道具一式・・・。

あと・・・そうか寝具もいるし・・・、

待てよ・・・服だっているよな・・・パンツも。


家族が増えるといろいろ必要になってくるな・・・案外面倒だわ。

日用品は買い忘れないよな・・・。


さて、子供の服か・・・子供服なんて買ったことないし・・・。


「マーラ、おまえの服買いに来てんだからさ、おまえが選ばないと意味ない

んだからな」


「いらないお・・・」


「そんなわけにはいかないの・・・だいいち、ずっとそのペーズリー

着っぱなしでいる訳にはいかないだろ?」


するとマーラは子供服コーナーの隅に吊り下がってた服を指差した。


「これ・・・」


「これか?・・・・ん?、これってプリキュア?・・・」


袋に可愛いロゴでそう書いてあった。


「え〜??・・・プリキュアの衣装じゃないかよ」

「こういうのはダメだろ?」


「買って?」


「ダメだって・・普通の服選べよ」


そしたらマーラは俺を睨んでプ〜って不貞腐れた。


「泣くお・・・マーラ」


「わ〜った、わ〜った・・・買ってやるよ・・・泣き落としなんて卑怯だぞ

・・・そういうのは大人の女がやるパフォーマンスだよ」


しかたないのでプリキュアの衣装も含めて普通の服も何着か買った。

選んだ服は、まあ今着てるペーズリーよりは可愛いと思う。


で、ついでにパンツもな。


少ししか布切れ使ってないのに子供の服やパンツって普通に買うと高いんだよね、

って誰かが言ってたっけ?


「まじ百均があってよかったわ」


「さあて、あとは・・・おまえのおやつ買ってから帰るか・・・」


「あ〜そうだ家族がひとり増えるとなると移動に車が必要になってくるな」

「ついでだから今日のうちに中古車ショップにも行ってみるか」


俺はルポライターで日本中飛び回ってるから、あちこち移動するのは以外と

苦にならない。

スーパーで買った日用品をとりあえずマンション持って帰ってからまたマーラを

連れて今度は電車に乗って中古車ショップへ出かけた。


マーラひとりのために俺はいくら金、使うんだよって、ったく。


中古車ったって、いくらするのか分かんないから途中ATMに寄って現金を

下ろした、

その中古車ショップが、その場所にあるのは日頃から知ってたけど来たこと

は一度もなかった。


車なんてなんでもいいんだ、クソボロでいいし、とにかく安くてスピードなんか

出なくても走りゃそれでいいんだって。


「安井中古車センター」


けっこう大きめの中古車ショップでたくさんの中古車が並んでいた。


「帰ろうよ」


「今来たばっかだろうが・・・」


つづく。


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