第2話 トンキンのバカ

フィクションです。


 東京。

 江戸でもいい。

 首都である、ふざけたことに。

 まあ歴史的な経緯はどうでも良いのである。


 問題は、自宅から東京遠いのだ。


 東京。

 トンキンでもいい。

 首都なのだ、むかつくことに。

 まあ歴史的な経緯はやむを得ないのであった。


 問題は、自宅が東京に無いのである。

 



 私は地方民である。

 かっぺであると自認している。

 そんな地元が大嫌いな人間であった。


 郷土愛なぞ、ない。


 誰が後期高齢者しか居ない田舎を愛するのか。

 下手すると携帯すら通じぬ田舎である。

 素晴らしきかな、明るい農村(嘲笑)

 けれども、付き合い柵を我慢せねば人生は渡れぬのである。


 あいつ嫌いだから不幸にならねえかなあ!!


 と腹の中で思っても笑顔で対応。

 それくらい私も出来る。

 なので地方民らしく地方で仕事している。


 だがね?


 東京出張が好きかと言えばそうではない。



 若い頃は失敗ばかり。

 あ、私だけかも知れない。

 一括りにしちゃうの良くないね、うん。

 訂正、量産型モブ男子の時代が私にもあった。

 ドブ色の青春でしたわ。


 かっぺらしく、おら東京さいくだ。


 そんな事も考えて無かったんすわ。

 あー、私は地元で死ぬんだろうな的な。


………それがそれが、何故か東京で働くことになりましてね。


 理由は、単に就職失敗して、地元で再就職出来なかった訳でして。

 なので東京に出たとも言います。


 ですから、その東京に期待しなかった訳ですよ。


 ギロッポンも渋谷も歌舞伎町も、己にゃ関係ないと。

 上京なるビックイベントも成人して結構経ってからでしたし、私にとって東京ってのはキラキラな場所でなく仕事する土地って認識でした。


 で行って後悔する訳ですよ、はい。


 狭いアパート、安い賃金、最低賃金って何よ、と。

 延々とクソみたいに住宅地が続き、都民以外のせいで公共交通機関はパンパン。

 外人多い(外国語苦手のため)わ、なんか知らんが人が多いし、人口に比例して頭が愉快な方が多い。

 なんで単車乗るだけでブーイングなんすかね?

 駐輪場、自動二輪可だったんすが。


 こりゃ住めない、マジで。


 何が悲して風呂トイレワンルーム、全てが8畳で完結するウサギ小屋に延々と雪隠詰めされなきゃならんのや。それは御賃金アッパーで解決するにしても、狂った乗車率と定年まで仲良ししろって?


 無理だ、無理過ぎる。


 私人逮捕がトレンドになる遥か前でしたが、チカンなど一撃退職昇天冤罪があるのに?


 と言う複数のストレスもあり、会社が事業所閉める……


 って話から、いい機会だとUターン。今の職場っす。


 なのに帰ってきたわ。

 職場の問題の大半が、カネとヒト。

 カネ、ヒト、モノ、コト。


 聖なる四要素に導かれ、馬鹿はゆく。

 なのに中小あるある私的の入った人事でトンキンへ。


 ふざけるな、ふざけるな、ばかやろー。


 私が何をしたと言うのか?

 関東の蕎麦つゆ濃いのも嫌いなんだぞ。


 

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カメラ行徳にっき 行徳のり君 @atomsun711

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