蹂躙の記録

岸亜里沙

蹂躙の記録

刑事「おい、こんな事は止めろ。罪を重ねるだけだぞ」


犯人「逆にお聞きしたいのですが、罪を重ねてはいけない理由とはなんですか?」


刑事「俺を殺したとしても、お前はすぐに逮捕される。無差別連続首斬り犯として、遅かれ早かれ指名手配されるぞ。殺害件数が増えるだけで、お前には何もメリットはないぞ」


犯人「別に8人殺すのも、9人殺すのも同じだと思いますけどね。だから、それはあなたの強がった命乞いにしか聞こえません」


刑事「この野郎、早くこの拘束を解け!俺の手でお前に手錠をかけてやる」


犯人「ふふふ。その前に私があなたの首を斬り落とします」


刑事「どうしてこんなむごい事が出来るんだ?お前はそれでも人間か?」


犯人「ギロチンで首を斬り落とす行為がですか?」


刑事「ああ。人間のやる事とは到底思えない」


犯人「あなたは何か勘違いをしていますよ。中世ヨーロッパで考案されたギロチンというものは、死刑囚の苦痛を軽減させる目的で開発されました。刀による斬首刑では、上手く人間の首を斬り落とす事は出来ず、囚人に苦痛を与えてしまうので、つまりこれは人道的な処刑方法なのです」


刑事「中世の話をしているのではない。何故お前は人を殺すんだ?」


犯人「単なる趣味です。か弱い女性を強姦レイプし、苦痛を与えた後に殺害するような殺人犯も世の中にいますが、私は被害者に苦痛を与える事なく、ただ趣味を実行しているだけです」


刑事「殺人が趣味だっていうのか?」


犯人「いいえ、殺人は趣味ではありません。私はコレクター。ただ人間ひとの首をコレクションしたいだけです」


刑事「ふざけるな。お前は何もかもが間違っている。ギロチンで首を斬り落とす行為も、人間ひとの首をコレクションをする精神も、正常ではない」


犯人「ひとつ言い忘れました。私がコレクションしているのは、です。動物虐待や、痴漢事件などの犯人たちです。首を斬られて当然でしょう」


刑事「いいや、仮に犯罪者だったとしても、犯人を処刑するのは間違いだ。犯人を捕まえるのは、我々警察だ」


犯人「戯れ言はこれくらいにして、あなたも早く私のコレクションになってください」


刑事「待て。今お前は罪を犯した者の首をコレクションしてると言ったな。俺は罪など犯していないぞ」


犯人「あなた、数ヵ月前に新宿駅で女子高生を盗撮したでしょう?」


刑事「な、何を言ってる。そんな事、していない」


犯人「残念ですが、罪の行いは消えません。いずれ必ずバレます。先程、あなたの携帯電話を確認しました。その時撮られた写真以外の画像も数多くありましたよ」


刑事「そ、それは・・・」


犯人「さあ、言い訳はせず罪を償う時間です。いきますよ。3、2、1」


!!!!!!!


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蹂躙の記録 岸亜里沙 @kishiarisa

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