おまけ アフターエンディング編
――カチッ
乾いた音がして、ピリッと痛みが走った。
歯が当たったんだとすぐに気がつく。
後輩くんが、固まってしまっていた。
かわいい。
その様子に、自分が落ち着いてくる。
泣くなんて、いつ以来だろう?
ずっと、わたしはわたしの仮面を被っていた。
だから、後輩くんの前で素直になれたことが嬉しい。拭うのがもったいなくて、そのままにした。キミとなら、きっと大丈夫。わたしをわたしとして見てくれたから。
雨とゲームが繋いだわたしたちだから、失敗したらやり直せばいい。もしケンカして泣いても、きっと晴れる。……ケンカなんて、するのかしら?
「ふふ、コンティニューしましょ?」
くっつけられた額を、そのまま押すようにしてわたしは後輩くんの向こう側に手を着いた。倒れたりはしないけど、お互いがもっと近くなる。驚いた顔が愛おしい。
少しだけじっと見つめて、わたしも失敗しないように位置を確かめながら、彼の唇に自分の唇を重ねた。優しい後輩くんのイメージ通り、とても柔らかい。
何度も夢見た、初めてのキスだった。
特別じゃないと言ってたね。
そんなことない。わたしにとって、キミが一番特別だから。
知っているのはこの空だけ~コンティニュー~ つくも せんぺい @tukumo-senpei
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