間抜けはいつも人の足を引っぱる

浅賀ソルト

間抜けはいつも人の足を引っぱる

何か怪しいことをしているという具体性に欠ける通報を受けて俺達6人は民家に突撃した。中には黒人2人がいて、容疑と共にミランダ警告をして連行した。

何か隠し事をしているのは確実なのに生意気な目をしてこっちを見るのでなんとかゲロさせてやろうとした。

罵倒して挑発して優しくして、また罵倒して挑発して優しくした。

何をしていたのか、何を企んでいるのかまったく言おうとしなかった。

1時間が経過していた。腹も殴り顔も殴り、青痣も鼻血も作ったのに何も言おうとしなかった。めんどくせえ。何を隠しているのか知らないが最後にはゲロすることになるのに、下手に粘るんじゃねえよ。

「そういえば押収品にでっけえディルドがなかったか?」

「あはは。あれな」ウィルソンは取り調べ室から嬉々として出ていった。そして手に30センチくらいある巨大なディルド——念の為説明するとオカマ野郎のオナニー用チンポ模型である。この押収品はその中でも上級者用でカリが高くで血管がバキバキに浮いてて超リアル——を持って戻ってきた。「あったぞ」

「おう、黒。彼氏にやるみたいにこいつをしゃぶってくれよ」

俺はディルドをそいつの口に突っ込んだ。呼吸ができなくなり、黒はブッと音を立てて鼻から鼻血を吹き出した。

「あははは、きたねえ」仲間が大笑いした。

「おらおらおら」俺はディルドを前後に動かしてサービスさせた。「ちゃんと舌を使え。こんなんじゃイケねえぞ。黒ホモ野郎」

うっと黒がえずいたので俺は素早く身をかわした。黒は血の混じったゲロを吐いて、自分のシャツとパンツをゲロまみれにした。涙ぐんで今にも泣きそうな顔をしていた。みっともねえ。プライドとかねえのか。俺がこいつだったらとっとと自殺してるね。

「あーあ、服がゲロまみれじゃねえか」

「剥いてやれ」

俺達6人は黒を全裸にし、そのチンポをまじまじと見た。

「おいおい。震え上がってるじゃねえか」

そして一同、今日何回目か分からない大笑い。

「よーし。じゃあ、床に四つん這いになってケツを突き出せ」

黒の表情がまた変わった。

「お、いい顔するじゃねえか」

「い、いやだ」

「いいから四つん這いになれ。優しくしてやるから」

黒はそれ以上何も言わなかった。ただ、すぐに動かずになんだかモジモジしていた。床に両手をつくところまでいき、しかしケツを上げず丸くなっていた。全身が小刻みに震えていた。

「そーそー、そこからゆっくりケツを上げていくんだ」

全員が笑っていた。本当に楽しくてしょうがなかった。

ぶるぶる震えながら、折り畳んでいた膝が開いていき、ケツが床から持ち上がっていった。

「よーしよし。いい感じだぞ」

俺達6人全員が黒の後ろに回ってその肛門を見学した。

相変わらず生まれたての小鹿のように震えながら、ゆっくりゆっくり肛門が上がっていった。

「顔は床に付けてろ」俺は言った。

黒はそのようにした。ケツだけが天井を向いた。

それにしても俺が持っているディルドだけど、本当に太い。親指と中指で作った輪よりも太い。こんなん入らねえだろ、普通。

黒の動きが止まった。顔と膝を床に付けて、ケツだけを上に向けている。足が相変わらず細かく震えていた。

「よーし。そのままにしてろよ」

俺はディルドを持ち、黒の背後に近づいていった。

「下げるんじゃねえよ。ちゃんと上げてろ」

仲間はくっくっくっと笑っていた。

ディルドをケツに近づける。ぴとっとそれが触れるとびくっと黒は身を引いた。

俺はがっと尻を抱き抱えると、アナルにディルドを当てた。黒は身をよじるが真剣に抵抗はしてなかった。仲間は両脇に移動してしっかり見物していた。

ずぶっと俺は黒のアナルにディルドを突っ込んだ。

「うっ」

「あはははは!」

ウィルソンが自分の銃を出すと、スライドを引いて薬室を見てから近付いてきた。

俺は黒から離れた。

横に転がした黒の口にウィルソンが銃をつっこむ。

俺はその様子を見ていた。黒の尻のディルドがひくひく動いていたが、全身を固くしてなるべく動かないようにしていた。

撃鉄を起こす。

引き金を引くとかちっと音がした。

ただ、黒の反応はなかった。弾が出ないと分かっていたようだった。

びびってくれないと面白くねえなと思ったら、ウィルソンも同じだったようだ。

「おいおい。撃たねえと思っているのか?」ウィルソンはそう言ってまた撃鉄を起こした。「このクズが」

バン。

口腔内で銃が発射され、肉の中を弾が進んだために、ちょっと生っぽい低めの音が響いた。黒の首の後ろが飛んで血が溢れた。

「うわっ」

全員に動揺が走った。

沈黙が続いた。1分もなかったかもしれないが、本当にたっぷり1分は黙っていたかもしれない。

俺以外の5人は間抜けだったと断言できる。俺が一番、判断が早かった。

硝煙のにおいが部屋に広がったが、防音である上に口の中での発砲だったのでいくらかマシだった。外にはバレてなかった。

みんなはまだ動いておらず、どうしようという表情をしていた。

俺は自分の銃を抜き、隣のマーティンの頭を吹き飛ばした。

そこから残りの仲間4人を撃った。全員一撃とはいかず仕留め損なったのもあり、床に転がった奴の頭にとどめを撃ち込む必要もあった。

そこから死体のアンダーソンの手に銃を握らせて、死にかけの黒にとどめを指した。

俺も怪我をした方がいいかなと思い、自分の銃を黒に握らせて、俺を撃たせた。

黒が銃を奪い、そこから銃撃戦になったっぽい状況が作れた。

取り調べ室には監視カメラがあるのに、俺も動揺してそこを忘れてしまっていた。

ウィルソンの馬鹿せいで無駄に死体が増えちまったぜ。



※参考資料 名字由来net

※フィクションですが、実際の事件を割と丸々参考にしています。 https://www.afpbb.com/articles/-/3475853

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