第15話 しきと、りつ
「兄(あに)さんは、あしが守る」
正岡子規。
日本の俳句と和歌を蘇らせた男。
三十五歳の若さで。
眠った。
その妹、律。
兄を支え、生涯を看取った。
司馬遼太郎さんの小説。
「坂の上の雲」を読んで。
書いてみました。
※※※※※※※※※※※※※※※
第1話 子規の叫び
何処にいる?
律、痛いがな
何処にいる?
どこにいる
りついたいがな
どこにいる
※※※※※※※※※※※※※※※
第2話 病床の兄
さっきの歌は。
僕の勝手な作品です。
つい。
物語に感動して。
詠んでみました。
季語も。
何もありませんが。(笑)
※※※※※※※※※※※※※※※
律は二度、結婚をし。
二度、出戻った。
幼い頃は。
「兄さんは、あしが守る」と。
兄を虐めるガキ大将に向かっていった。
子規が死ぬまでの10年間。
兄のワガママを聞きながら。
懸命に介護をしたそうです。
買物等で。
少しでもいないと。
子規は呼んだそうです。
何処にいる?
・・・と。
ある意味。
幸せな兄だと、思うのは。
僕だけでしょうか。
あとがき
僕もよくは知りませんが。
柿食えば
鐘がなるなり
法隆寺
かきくえば
かねがなるなり
ほうりゅうじ
この有名な句が正岡子規の作だとは。
驚きました。
俳句を今日のように。
なじみ深くした功績を。
僕は物語を通じて知りました。
俳句は写生だと。
芭蕉でさえ批判したのです。
確かに。
柿食えば。
の、五文字だけで。
情景が浮かびます。
改めて。
子規の偉大さを知りました。
同時に。
その兄を支えた。
妹の律も。
病にのたうちまわる兄を。
懸命に介護した彼女です。
今宵は。
酔いの中で。
律さんに。
拍手を贈りたいのです。
初恋の歌(ショートショート集) 進藤 進 @0035toto
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