焦らずに君の元へ、この気持ちを君だけに

実にいたたまれない。
事件の火種は、どこにでもありそうに思えるからこそ、悲しさに誘われてしまう。
青春の青とは、まるで血の色だ。

登場する人物の、立場や性格が、よく描きわけられているところが良かった。
証言を聞くことにとって水向晴の印象がどんどん変わっていくところが面白い。

後輩くんとのブルハワイのエピソードが出てくる。
ブルーハワイは好きではなかったけど好きになったところから、Tシャツの色を青にしたのだろう。
彼女にとって、それほど後輩くんのことがとても好きだったのだ。

陸本瑠々子が「疑わしき人物は誰か? もう分かるでしょう」と自信満々にいっているけれども、彼女に突き落とした犯人はわからない。
ただ、五組全員が共犯だといいたのだ。

水向は、桐生零士をレイちゃんと呼んでいる。
友達以上に好きだったのかしらん。