第15話 告白

今、雷兎は何を言われたのだろうか。とんでもないことを言われたような気がする。訳が分からなくなってフリーズしてしまった。


また、とんでもないことを叫んだ当の本人は顔中真っ赤になって羞恥で悶えている。プルプルしていて今にでも逃げ出しそうな様子だった。


困惑と羞恥で動かなくなった二人で先に再起動したのは奇兎の方だった。

ハッと我に帰った奇兎が雷兎の肩を揺さぶり現実に戻してくれた。

その後ソファに座り直した。


「ねぇ奇兎、僕の聞き間違えじゃなければこのチョコは本命だって…」


手元のチョコを見ながら奇兎に聞いてみた。


「そうだよ、最初は興味本位で話しかけたけど間違ってなかった。それから毎日が楽しくて。でもそれだけじゃ物足りないなぁって思っちゃった。雷兎はこんな謎のある私を一人の人間のように接してくれた。それが嬉しくてたまらなくてずっと一緒に居たいってこっそり思ってた」


足をぷらぷら揺らしながら幸せそうに言った。

そうか、奇兎はそんなことを思ってくれてたのか。聞いてて嬉しさとか色々が頭の中をぐるぐるして、でも幸せな気分だった。

「ありがとう、そんなふうに思ってくれて。今すごい幸せだよ」

幸福が頭の中でオーバーフローして勢いよく奇兎をギュッと力強く抱きしめていた。

耳横でぐえっと奇兎が一瞬苦しむような声が届いたけどすんなりと受け入れてくれた。奇兎も雷兎の背中に手を回してくれている。


しばらくして奇兎が背中をポンポンとタップして離してと言うので抱擁を解いた。


「んんっ!じゃあ雷兎、改めて言うね」

「うん」


「私はあなたのことが大好きです」

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雪景色、偶然出会った少女と過ごす新たな日常 オララオ @LAO321

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