淀みのない筆致で描かれる無惨な人生の一幕

最初、大して仲の良くなかった父の仇討ちに何故そこまで……と、動機に腑に落ちない部分があったのですが、最後まで読むと納得しました。
主人公が、心の底で「この方向はだめなんだ」となんとなく理解していながらも、吸い寄せられるようにして運命のいたずらに翻弄されていく物悲しさ。
仇討ちの一幕を通じて、人間の弱さ儚さがきっちり描かれた良作と感じました。

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