このノンフィクションは、スポーツマンガとして是非コミカライズしてほしい

私は運動音痴です。スポーツとか嫌いです。
なんかこう小学校の体育の球技でグループ分けする時に「え?あいつ、どうするよ。いらねぇんだけど」みたいに最後まで残るタイプです(自分で言ってて、目の前が涙で…よく見えない…)
あの公開処刑制度、どうにかならないですかね?

話がそれました。


このエッセイの作者であるKAZUさんは、元プロのサッカー選手だそうです。

おそらく同じ中学高校に通ってたならば、KAZUさんはスクールカースト最上位の人間で、会話すらしなかったであろうと感じます。
途中のモテエピソードとか「え?それ、なんの少女漫画のイケメンの話ですか?」みたいなことが、さも普通に語られます。
同じクラスだったら、おそらく心の中で「くそがぁあああ!!」と叫んでいたことでしょう。

『桐島、部活やめるってよ』の桐島君って、きっとKAZUさんみたいな人だったんだろうなぁ。
そんなことを思いながら、読み進めました。

KAZUさんが、結構大変な家庭で育ったけど、生まれ持った才能を持ち前の努力で研磨し続けて、中学生で恩師に出会って才能が開花したり、高校生になってJユースに入ったり、でも大事な場面で何度も故障に見舞われ絶望したり、それでも不屈の闘志で心機一転イングランドでプロのサッカー選手として道を切り開いていく様子は

「え? このスポーツマンガ、どこで連載してるんですか?」

って読んだ人はなると思います。マジでマンガの主人公みたいな話です。
途中で挟まるケンカのくだりとか、マジでマンガです。


最初の話題に戻るのですが、こう小説を読んだり書いたりする私のような人間は少なからず、「スポーツできる人間」への苦手意識あると思うんです。
(ワシだけか?運動音痴は?いや、きっと運動音痴多いやろ??)

でも、このエッセイ読むと、スポーツできる人が見てる世界を見れます。

『VRスポーツできる人の世界』って感じです。
かなり目から鱗でした。

というわけで、かなり面白かったので、オススメです。
一気に読んで、いまこの長文レビューを書いているくらいに、オススメです。

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