お嬢様たちの園に白球は打ち上がる

本作は、全寮制の女子高、聖ヒルデガルド学園に、新しく野球部を作る物語。
なのですが、野球要素はもちろん、お嬢様校要素が非常に濃厚。
「お姉様」とか、「よくってよ」とか、そういう言葉が飛び交うような、いかにも雅な世界なのです。
彼女たちにとっては普通の会話でも、雰囲気は完全に百合。いや、彼女たちの間でも、実はある程度百合を意識しているのか?
とにかく、百合オーラが吹き出ているのです。

しかしそんな学園において、野球部を作ろうとするのは非常に異端。
最初に言い始めた叶愛は、周りから浮いてしまいます。

確かに、雅な百合オーラ溢れるこの学園に、荒々しく野球をする様子は似合わないかも。
なんて思ってはいけません。確かに今までの伝統からは外れるかもしれませんが、この変化はきっと進歩というもの。
叶愛のルームメイトのお姉様こと藍奈も、最初は良い顔をしませんが、しだいにその熱意に心動かされることに。



あと、作中で野球における女子と男子の差について語られる場面がありますが、女子野球だって凄いのです。
特に日本の女子野球は、ワールドカップ6連覇中。皆さん知ってましたか?
本作を読んで少しでも女子野球に興味を持っていると次のワールドカップ応援にも熱が入るかも。

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