静かに侵食される日常、そして…

『静』から『動』へ。急転直下の展開が
物凄い。作者は概して闇の邪神を扱う。
しかしこの物語は、なかなかその陰影が
見えて来ない。
タイトルからして『ゴミ屋敷の支配者』で
ある。そのタイトル通りの人間ドラマが
展開して行くのだが、これが又、謎を孕み
ひたひたと何かが迫り来る不安ばかりが
増大して行く。けれども、それが何なのか
具体的な像を結ばない。
 何かがあって、それが影響しているのに
正体がわからない。この不安感を暫くの間
読者は味わう事になる。但し、伏線や
要因、事件のキーパーソンが其処彼処に
置かれているが、悉く予想は外される。

そして急転直下の驚愕の展開へと。

「まさかあのゴミ袋が…!」そんな驚きを
誰しも感じるだろうが、多分、予想は
外れる。
 ともあれ、その目で確かめられるのが
良いだろう。まさかの 用途 に驚きを
禁じ得ない。