確かに百合の萌芽を感じる。これは百合です。

#ジャンルが現代ドラマですが、友情ではなく恋愛文脈だと思って読みました。
 解釈不一致だったら申し訳ありません。


描写がとても丁寧で、素晴らしいです。
文が詰まり気味なのに、くどくなく、読みやすく感じます。
そして仄かな非日常を日常的に描く中で、さらっと差し込まれる違和。

この二人、とても距離が近い。

縮めようとする確かな意思と、同性であることを踏み越える感性を感じます。
女子大生という歳、異年齢、住むところも異なり、関係性は遠い。
中学生くらいの同年齢の子が、親戚の家で会った話ではないのです。

共通点は少なく、なのに視点は確かに相手に吸い寄せられていて。
相手の子は、明らかに仲良くなろうとする、むず痒いような気持ちが伺えます。

そして魔法。

唐突ではありません。野暮なので何のことかは言わないです。
物語としては、確かにここで完結してらっしゃいます。
三度くらい読んで味わえます。

良いものを読ませていただきました。ありがとうございました。