明日へ向かって、その手を離さないで

実に素敵な話。
何者かになりたいと抱くのは、若者の特権である。
生きることはすべて不安なのがあたりまえ。
だからうまくいったときは飛び上がるほどはしゃいでは大笑いし、感動もより深くなる。
現代はスマホ画面内で大はしゃぎするのが常なことを、実感する。

もともと理性が強い子なのだ。
感情面では死ぬかもしれないと不安で怖かった。
でも理性面では、努力家でもないし、ピアノなんてどっちでもいい、いっそのこと悪性だったよかったのにとさえ思っていた。
そこに入院している幼い子を目の当たりにし、たまにしか顔を合わさないけど心配してお守りまでくれた友達が、良性だったと聞いてものすごい喜んでいる。
理性が引っ込み、感情が表に現れたのだ。
焦燥感が嘘みたいに薄れていくのは、強かった理性が大人しくなって感情が表に出てきたからだろう。

手を引いてくれたのは、生まれてから今日まで、直接関節に関わらず、たくさんの人達と関わってきてことを指しているのだろう。
いまの彼女なら、これからもたくさんの人達と関わりを持って生きていけるだろう。