ひっきりなしに

 なかなか火がつきそうにない焚き木をどうにかするべく躍起になっていると、いつの間にか自分が燃え始めていた。そんな読後感を味わう物語である。

 旧来の慣習というのは、和歌の枕詞のようなものだ。かつて歌は神々に自分の気持ちを訴えるところからきたそうだが、作中でのそれは不気味な怪異が沈黙したまま恐怖の戦慄をじわじわともたらしてくる。

 必読本作。