青春にミステリを加えて

実家の食堂で働きながら、定時制高校に通う比古胡桃と、同じ学校の全日制の生徒である猪口黎人、幼馴染二人による日常ミステリ。大きく分けて四つの謎が描かれています。

一つ目の謎は、図書室で何度も同じ本を借りていく生徒の存在。借りた生徒の名前を確認しても、どうも該当する人がいないし、なぜ同じ本も何度も借りているのか?
二つ目は校舎で見かけた不思議な蜥蜴人間、三つ目はファミレスに居座る眼鏡の人、それぞれの正体を探っていきます。

最後の四つ目のお話では、学園祭でミステリー研究会から渡された挑戦状に二人でチャレンジします。幼馴染二人の距離感や恋心が可愛らしくて、読んでいてほっこりしました。

高校生たちの日常を上手に切り取りつつ、謎が織り交ぜてあるので、ミステリに苦手意識がある人も読みやすいと思います。警察が介入するような解かなければいけない事件ではないものの、提示された情報から一生懸命あれこれ考えて推理している様子にわくわくさせられ、とても楽しそうだなと感じました。

二人と一緒に謎解きしたくなります。タイトルの意味も素敵なので必見です!ほっこり日常青春ミステリ、ぜひ読んでみてください。面白かったです。