キャンパスの風が読む人の頬もくすぐる、さわやかな青春超常ミステリー。

この大学には探偵がいる――となれば、大学を舞台にした事件が起こり、謎をさっそうと解く探偵をイメージしそうだが、本作はそこに霊という超常要素がからんでくる。霊には多少の免疫がある3人組は、好奇心(となりゆき)で、探偵サークルに所属することになり、ややクセのある女性探偵のアシスタントをつとめて、霊にまつわる事件に巻き込まれていく……といってもおどろおどろしくはなく、3人組の雰囲気もあいまって、ほんわかと楽しい。ひとつひとつの事件のエピソードも長すぎず、さくさく読めるのもポイント。いかにもミステリーな事件から、大学ならではの「えっ、そんな依頼受けていいの?」な事件まで。そしてときに、大学生ののどかな日常と青春。読みやすくて楽しいですよ。

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