Episode 145 完結は、また新たな物語を始めるための遠い約束だから。


 ――小雪が白い桜に変わる頃、私たちは新たな物語のための準備に移ってゆく。



 その定番は、日曜日にあった。


 私は一眼レフカメラを持参し、新たなる風景との出会いに胸を膨らませていた。大阪メトロを制覇しようという試みで、各駅を訪ねる旅に出た。旅といってもプチ旅行。


 そこは、梅田の地下から繋がっている。


 四種類の路線が交わっている。しかしながら堺筋線は独特なルートを持つ。私鉄沿線と繋がっている。それでもって早速と乗り合わせる。電車の本数は多そうで間隔も。


 あの頃と、風景は変わっても……


 変わらないものもある。二人三脚は変わらない。これからも……


「スタンプラリーに、また挑戦だな」と、陸君りっくんは言う。


「第二弾ね。芸術棟の写真も一新したいし。それに、府のために協力もしてるし」


「万博の件だね。その記念としての企画。狙うはまた優勝かな」


「密かに……」


 そうなのだ。大阪メトロの各駅の、スタンプを集めると共に、写真も集めている。駅の写真も全駅揃うことになる。それが条件とのこと。その期間は二月中、二十九日までだ。


 なので、とっても素敵な企画だと、心トキメク。


 心トキメクのは、企画だけではなくて……大好きな人との共同作業も兼ねるから。

つまりは、私にとって大切な思い出となってゆく、デート。陸君とのデートということ。


 思えば、もうネガティブな気配などなくて、


「ポジティブな思考が広がってゆく……春近しの世界観」


「じゃあ、先ずは乗ろう。それからでも遅くない遅く、楽しめる企画だから」


 という具合に、この雨が上がったなら虹が掛かる程に、


 楽しい世界が待っている。そう願っている。万博を開催するにあたって、世間の意見はネガティブな発言は多いけど、お空にキラキラと、ポジティブなお星様を鏤めるの。


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空にキラキラ! 大創 淳 @jun-0824

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