彼女の魂は真実の自由を求め、今もあの荒野を駆け抜けている。

英文学史上の金字塔『嵐が丘』の作者エミリー・ブロンテは、ぎりぎりの孤独に洗練された優れた詩を、短い生涯の中で残した。

叫びたい気持ちを押し殺した声音で語るような、その緊迫感ある詩には、不自由な肉体に閉じ込められた奔放な魂のかなしみが凝縮されている。

筆者の訳は、そんなエミリーのかなしみをよく昇華していると思う。

近況ノートでは、筆者ご自身が撮ったのであろう、『嵐が丘』の舞台となった地の写真も掲載されており、エミリーのファンの一人としてもとても興味深く、嬉しい邂逅であった。