一つの言葉が別の言葉へジャンプする。
すると言葉同士が思いもよらない化学反応を起こし、見たことのない光景がひらかれる。
短歌にしろ俳句にしろ、既に存在している風景を言葉に置き換えるという要素が強いが、この作者は全く新しい風景を作り出すことに常に果敢に挑んでいる。
その姿勢に、深いリスペクトを覚えます。
しかしこの作品群では、そうした実験的作品もある一方で、肉親へ向けられる暖かい感情や、人生に於いて避けられない諦念と、そこから来る悟りも綴られていて、作品の幅の広さに作者の人間味を感じ、ある安心感も覚える。
この作者の方は、たぶん褒めて伸びるタイプの人です。読者の皆さん、星とハートをたくさん進呈しませう。