概要
江戸の世に蔓延りし古典妖怪共の怪談噺、此処にあり。
日出ずる国、日本には「蟲喰噺」と言う奇妙な解読不可能な書物が様々な地方にて発見される。この蟲喰噺は「水に濡れ、破れて読めなくなった物」、「焔に焦がれて読めなくなった物」、「こびりついたどす黒い血が文字を潰して読めなくなってしまった物」と言った様に、様々な所以はあれど、どれも一様に発見された際には蟲に喰われたかの様なあり様なのだ。まるで、得体の知れない「何か」が噺の内容を公に晒されることを拒んでいるかの様に…「蟲喰噺」となる前の書物、「源噺」があれば伝承の内容を解読できるのだが……私はこの妖異な蟲喰噺を集め、古の記録を研究することにある種の恐怖と愉悦を覚えている。
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