4話 今日という1日は長い

私の心が寂しくなったとて1日はまだ始まったばかりだ。

そう、この後は仕事が待っている。

誕生日に働かなくてはいけないのかと考えてしまうが、あらかじめ仕事をすると決めていたため、今更休むと考えてもやることがない。


というか、宝くじを買うというその動作だけで今日の私にはとても充実感というか疲労感があった。


そんなことを考えながら仕事場に向かった。

今日はあまりシフトに出てない子と働く。

別に嫌ではない。

シフトが被らないだけで話さないわけではない。

幸いにも私が働いている場所は当たりだと思う。


数々のバイトをしてきたが、やはり一緒に仕事したくないなと思う場所はいくつかあった。


私は見切りが早いため、そのようなバイトで働いたらすぐに辞めてしまう。

最短で2週間で辞めた。

まあ、そんな話はまた別の機会にするとして。


その子に私はやりたいことリストについて話した。

そして何かやりたいことはないかと尋ねると、

「いいですね。私は旅行がしたいです。」

とすぐ言葉に出した。

旅行か、確かに旅行はいいかもしれない。

だが、どこに行けばいいのだろうか。

と考えていると。

色々と観光名所を教えてくれ、その中でも行きたいと思えた場所を書いた。

その子は国内ならばほとんど行ったことがあるというなかなか日本でも数少ない人種である。


良いなと思ったがそのすぐ後に私はそこまでは良いやと思えてしまった。

というか、今はまだいいと思った。

人生平均まで生きれたとすればまだ40年以上ある。

この年で全てを回ってしまったら老後にやりたいことが無くなってしまうではないかと考えた。

すると彼女は、次は世界旅行に行けばいいじゃないですかと言った。

なんて奴だと私は尻込みをしてしまいそうになった。

限られた資金、限られた人生、そして俺の精神状況。

きっと俺には世界を回るということは向いていない。

楽しいのかもしれない。

ただ、宝くじを買っただけでへこたれてしまう体の私にとって、各国の素晴らしい景色、食べ物に触れるというのはあまりにも体を疲弊させてしまう。

人生、短く太く生きたいとは思っているが。

これだとあまりに短くなってしまいそうだと思った。

私は彼女に、君は精神力がすごいねと言うと、そんなことないですよという。

私は謙虚な奴めと思ったが。

彼女は気分が落ち込むことの方が多いから逆に元気でいるといい。すごいと思ってしまった。


私は正直悩みがない。気分が沈むなんてこともない。

なんかやってみたいなと思って人生を過ごしているだけである。

だから気分が落ち込むのを防ぐために元気になろうなんてことはできない。

きっと疲れてしまう。

そう考えると私というのは幸せなのかもしれないと思えた。

よく、見えない方が幸せなこともあると言うだろう。

私はその見えない方だ。

いや、見えてはいるのかもしれない。

例えば横にいる人はこんな事を考えてるだろう。

この人はどんなスポーツをやっている。

スポーツをやっていたからか家の事情からか、昔から人を見て付き合う人間、避けるべき人間というものを分けて行動してきた。

だから友達100人作るという目標は小学校低学年の頃には無くなっていた。

まあ、私の住んでいた地域に同級生は100人もいなかったためまず無理なのだが、、、

そんな感じで今考えるとその取捨選択が私の不安要素を打ち消してくれていたのかもしれないと今になって思う。

誰かにどう思われようが自分がそれであっていると思うのであれば行動するし、一人でも行動できる。

もちろん集団で何かをやるということも大事ではあるが、私の生き方では他の人と行動するというのが難しい。

私とみんなが同じような行動をしていればきっと日本は今頃終わっているだろう。


誰かは誰かのためにやりたくないことをやり、それを好きになるように努力する。


誰かは好きなことに必死に努力しそれを嫌いにならないように周りから努力してると思われるくらいやり込む。


こんな感じで人生というのは動いている。


後者の人間になりたいと思う私は、前者がいるということを知り行動しなくてはいけないと強く思うと心が苦しくなるため、少し思うところでこの執筆に蓋をした。





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