第17話 エピローグ

「ルイばあちゃん、ソロンばあちゃん、ジャンヌばあちゃん!」


 弟から離れ、娘のミロンは三人に駆け寄っていく。



 初めて母に出会った、あの日。親父、お袋、爺ちゃん、キロンパパ、キロンママと俺で家族会議が行われた。母の話では、父に養ってもらっていたが、つわりが収まる頃に、「最強を目指して旅にでる」と置手紙を残して、何処かに行ってしまったそうだ。手元にあるお金で、生活を続けることは難しいと考え、王都を目指し、ここに来たそうだ。

 爺ちゃんは「どの面さげて来てんだ!」と怒っていた。そして一緒に住むことには否定的だった。

 親父とお袋とキロンママは怒りを抑え、苦楽を共にしたパーティーメンバーだからと、俺次第で受け入れてもいいと言ってくれた。


 俺は正直家族だとは思っていない。

 ただ、お腹を痛めて産んでくれたこと、弟か妹かを身籠っていること。実の親である母を悲しませたくなくて、受け入れて欲しいと言った。


(俺は、なんで見捨てられたんだろ)


 キロンはその様子を見ていて、その後、俺を強く抱きしめてくれた。俺の視界はぼやけた。キロンの肩が濡れていった。


 ◆


 俺はキロンと結婚し、冒険者をやめた。親父が副ギルドマスターになるので、代わりに新人冒険者の育成をする仕事に就いた。今、キロンは二人目を身籠っている。大変なことも沢山あったけれど



 俺は幸せです。



(完)

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剣聖ってなんなんだよ!俺の周りには、まともな奴はおらんのか フィステリアタナカ @info_dhalsim

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