虫のようにただ彼女は

まともに生きられなくなると言うことは無軌道に怠惰な人間性を発露させることだけではなく、まるでシステムのように特定の生き方しか採れなくなることも指すのかも知れない。一度そうなってしまったら今目の前で喋るその人、形を取っているのが年上のお姉さんであっても、言葉の通じない罠を張る虫であっても、本質的な違いはないのだと思い知らされる。簡潔な名作。