「その、手……どけろ」
「しゃべらないで。心臓を再生中だから」
「そせい、まほうが……ゴホッ……使える、なんて……聞いて、ないん……です、けど」
「死者を蘇らせることができるなんて知られたら色々と面倒だし、それに死は死だ。世界の法則を歪める。僕の寿命を削らなきゃいけないし。あとこの術式、間違っているから直しておくよ」
「チート、すぎるし……重すぎる。心臓、なでんな。気持ち悪い」
「いやだ」
駄々っ子か。
色々と台無しだし、あまりのチートぶりに諦めそうになったけれど「この傷を治したらまた一緒に旅に行こうか」と言われた日には、また心がメラメラと燃え始めた。
「いやに……決まっている、だろう、このボケカス」
「久々に君の罵倒を聞いた。ずっと聞きたかったんだ」
ドMか?
こんな人間に負けたなんて悔しすぎる。
今回は負けたが、いつか絶対にお前を超えてみせる。
俺の逆境はまだ始まったばかりだ。
勇者の従者 ももも @momom-
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