第6話 小説の会話文は1対1が基本

なぜか? 小説という媒体が根本的に複数人会話に向かないようにできているからです。


理由は単純です。小説における会話というのは台詞文以外に登場人物を現す記号がなくなる特殊な時間帯だからです。アニメや漫画やゲームのように同じような喋り方の人間が並んでもパッと区別できるようにはできてないからです。


会話文でキャラを区別させるために小説ではよく語尾や口調で特徴づけをします。けど、それも限度があります。誰もが誰も痛い喋り方をする人間ではないでしょうし、根本的に複数人会話自体が脳への負担が大きいのです。


なのでやはり、キャラクターが会話するときはなるべく1対1になるようにするのがベストです。複数人いるときは一度に喋る人数を2人までに制限し、1対1を複数回繰り返す。そもそも3人以上が集まる場面を作らない。このような工夫をすると会話文が断然読みやすく、またテンポがよくなります。メジャーな小説でも、複数人集まる場面だろうと一度に喋る人間は精々2人、3人程度の場合が殆どです。絵がついたり極端なキャラ付けが許されるライトノベルならまだしも、一般小説だとその傾向はさらに加速します。


とかく、小説の会話は1対1が理想です。

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1000文字でサクッと読める創作論 哀原正十 @adick

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