第8話 心に落ちる彗星

 そいつの笑顔を見た時、目の前に星がチカチカ輝いて見えた。


「は?あんた誰」

 

 そいつは同じクラスでいつも一人、孤高の同級生。でも、誰かに話しかけられれば普通に話すし笑いもする。ただ、群れないだけ。


「あぁ、同じクラスだっけ。ごめんいちいち顔とか名前とか覚えてない」


 別にそいつの中で私はその他大勢で構わない。ただ、私の中ではそいつはその他大勢じゃ無くなっただけだ。


「星が見えた?……はぁ。よくわかんないけど、あんた面白いね」


 ふっ、と微笑むその顔を見た時、私の中に大きく光る星が落ちた。隕石みたいなどでかいやつ。でもすっごい輝きを放って私の心を掻き乱す。


 そう、君は彗星だ。私の心に突如現れた彗星。




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